念願の秀山祭

先日の続きです。

オーグードゥジュールヌーヴェルエールさんでランチした後に、

丸ビルやバーニーズでウィンドウショッピングしてから向かった先は、歌舞伎座。

今回の東京訪問のメインは歌舞伎座でおこなわれている“秀山祭”!


その吉右衛門さん(二代目)が初代の芸と業績をしのんで

毎年9月に行われている興行でずっとずっと観たかった夢が叶いました。


吉右衛門さんは昨年名古屋の顔見世で拝見して以来。

そして、観るごとに人間の域を超えているのでは・・・と崇めてしまう程魅了されている、

坂東玉三郎さまとの共演もとても楽しみにしていたので、とてもワクワク♩


今回は演出上、華やかな両花道。

開演まで胸が高まります。

表紙の絵があまりに見事で、即買いしたすじがき。

こういったものにときめきを感じると、日本人で良かったなぁと思います。



立役で一番好きなお方は、中村吉右衛門さん。

歌舞伎を見始めた20歳そこそこの頃、劇団四季を主に観劇していた私にとって、

吉右衛門さんの存在は衝撃的でした。

(長くなるので割愛しますが)


それ以来、ずっとファン。

立役で誰が好きと問われたなら、迷わず吉右衛門さん!!と即答。

たいてい、渋いね・・・と驚かれますが。。

誰に驚かれようとも、鬼平犯科帳だって欠かさずに!

このお姿(新作)を拝めるのもあと1回。(画像お借りしております)


吉右衛門さんの魅力はまたいつか語るとして・・・


以下、感想です。

【夜の部】

●妹背山婦女庭訓 吉野川

悲劇的なストーリーとは真逆の、吉野川と満開の桜という華やかな舞台美術で幕開け。

この華やかさのまま、お話は進んで行くのがまた残酷な印象を与えます。


決められた所作、決められた台詞。

そこにどれだけの想いを込めて、細部(一挙手一投足)に役を宿らせるか。

それに秀でたお二人(偉そうにすみません)だからこそ、中だるみせずに観られたと思います。

絶対同じようにやっても、中だるみする方がいるんです。

(その方が悪いというか、好みの問題でしょうか?)


このお二人に魅了される理由は、

その細部に宿る役の魂が上辺だけではないから、

発せられた感情が波のようになって、劇場のすみずみに行き渡る。

どこの席にいようとも。

だから今回のような悲劇はなおさら、胸に迫る物があり、

ぐいぐいと物語に引き寄せられます。


また、お二方とも役柄上、どっしりとしたオーラと品格を保っているのですが、

クライマックスに向かって“ただ人の親である”というところのコントラストが、

より悲しみを増すというか。


その立場にいる方でなく、平民同士であったら結ばれていたであろう、

親同士の立場もなければ結ばれていたであろう、

自分を恨みつつ、でもこの立場の自分のもとに生まれてきたからこその目の前の我が子。

複雑な感情も、丹念に描いておられたかな、という印象です。


満開の桜の中、吉野川を挟み、左右のお屋敷で展開していくそれぞれの親子の運命。

美しさの中の残酷さ。

この演出がまたね〜。にくい。笑


ロミオとジュリエットにも例えられる久我之助と雛鳥には、染五郎丈と菊之助丈。

見目麗しく、お芝居も安心してみていられるのですが、

“若さ”ゆえの“危うさ”みたいなものはもうやっぱり出にくいかなと。


秀山祭という大舞台では難しそうですが、

雛鳥に米吉さん、久我之助を菊之助さん・・・それか隼人くんにした方が、

より一層悲劇的だったかなぁなんて。

(隼人くんがその任に耐えられる技量/度量かはあまり拝見した事がないので分かりませんが・・・米吉さんは大丈夫^^)


胸が締め付けられたまま、物語は終わります。

私の前のお席のおじさまは、後ろからでも分かる程泣いておられましたし、

最後の拍手の送り方が盛大で、でも、それ程素晴らしい公演だったと私も思いました。


●らくだ

実はシネマ歌舞伎ですが、勘三郎さんで拝見していて。

だから、ちょっとハードル高いかなぁと思ったら。


染五郎さんはあの端正なルックスを封印して、一通りこなしてはいたものの、

やっぱり勘三郎さんのおかしさには叶わないかなぁ・・・。

(まぁ勘三郎さんがめっちゃ二枚目でないのと同じって言ったら

 俺にだって出来るって怒られそうですが汗)


そう思ったら、昨日は意見した名古屋顔見世の品川心中は

とっても良かったので、単純に役柄が任じゃないのかも!と思い直しました。

初役ゆえの固さもあったかな・・・?


意外だったのは、松緑さん。

達者なイメージだったので、難なくこなすかなと思いきや、ちょっと苦戦している印象。

話を展開させる、ひっかき回す役ですが・・・

幕が開いて間もなかったからかな?こちらも初役ということでしたし、楽日に向かっての変化が気になるところ。


そして、物語の重要人物、長屋中の嫌われ者、馬吉さん(らくだ)。

死人の役で言葉を発することなく、ただ担がれているんですけれども。

無理矢理担がされた染さまに、染さまの動いてしまってふとした拍子にお顔とお顔が

くっついてしまって、染さまがもの凄い嫌がるという、

それが何度か繰り返されるのですが。


もの言わぬとも死体として顔を寄せる、これもセンスなんだと!!


これがね、シネマ歌舞伎で見た亀蔵さん、絶品でした。

本当にお腹がよじれるくらいおかしい。


その光景は同じはず、所作も同じはずで、今回もおかしいはおかしいのに、

あの亀蔵さんのなんとも言えないピトッと感!

死体っぷり!!


あれは亀蔵さんだからこそ、なんだなぁ。

亀蔵さんのゾンビ好きも発揮されているのか!?笑


東京に住んでいたら主要3役のお三方がこなれた頃に観られるのになぁ。

でも、吉野川からガラリと変わって、楽しませて貰いました^^



●元禄花見踊

レビューのような華やかさのある総踊りです。

玉三郎さまがまるで宝塚のトップスターばりに一人ピンスポで登場した瞬間、

これまたトップスターを迎えるお客さんばりに拍手〜!!

玉三郎さまを筆頭に、ほれぼれするようなパッとはつらつとした明るさのある、

演目で、あっという間に終わってしまった。

今人気の隼人くんをきちんと認識したのはこれが初めてかな?

ちょっと小道具の使い方がたどたどしいものの、ぱっと目を引く綺麗さに

人気が出るのも分かるなぁと。


ただね、同じ列の方が隼人君ファンらしく。

この総踊りの間、お友達同士でずっときゃわきゃわしてるんです!怒

真横だったら一喝していたぞ!!怒怒


TVや雑誌に出て新しいお客さまを取り込むのも大切ですが、

でしたらマナーも教えて差し上げて!怒怒怒

アイドルのコンサートとは訳が違うことを認識した上で、

どういった振る舞いがふさわしいのか、見誤らないで頂きたいと切に願うこの頃。。




と、最後に残念な事もありましたが、

全体的には大・大・大満足♡な公演でございました!


やっぱり吉右衛門さん、玉三郎さまが最高!

お二人の残りの歌舞伎人生を考えると出来る限り拝見しておきたい気持ちが

ますます強くなりました。


(七之助との兼ね合いを考えねば・・・)